MATTEL BeeGees Rhythm Machine

Category: BeeGees,リズムマシン (2008/04/30)

バービー人形で有名な米マテル社は、かつて何種かのオモチャ楽器を発売していました。その中でもこのビージーズ・リズムマシンは、1977年の映画「サタデー・ナイト・フィーバー」で大ブレイクしたビージーズの、一種のキャラクター商品といえます。
思いっきりベタな写真をあしらった箱の記載から推測するに、映画の公開の翌1978年に発売されたのではないでしょうか。取扱説明書に、前掲の映画からの大ヒット『Night Fever』『Stayin’ Alive』の簡単な楽譜も載っています。

しかし、ビージーズに関しては、この際どうでもよく、このマシンを深く印象づけているのは何と言ってもクラフトワーク『電卓』での使用でしょう。1981年のアルバム「コンピューター・ワールド」所収のこの曲でメロディを奏でていたのが、この安っぽいオモチャ楽器でした。80年代のライヴ映像を見ると、ステージ上でも「ボクハ・オンガッカ・デンタク・カタテニ」と歌いながら弾いていました(ちなみにこの曲、独英日仏と四カ国語のバージョンがあります。日本盤にはこのうち英語と日本語のバージョンを収録でお得)。小さくてカタカタする程度の鍵盤は異常に弾きにくく、ましてや歌いながら弾きこなすラルフには尊敬の念を感じます。98年の赤坂ブリッツでの、17年ぶりの来日公演(もちろん『電卓』で会場中が大合唱!)ではさすがにこのマシンは使用されず、代わりにDOEPFERのMMK2というMIDIミニ・キーボードが使用されてましたが、きっと遥かに弾き易いんだろうなぁと。その後04年の渋谷AXでのライヴも観に行ったものの『電卓』で何を弾いてたか覚えてないので、同公演収録のライヴDVD「ミニマム-マキシマム」で確認せねば。

余談ですが『電卓』においては他にも興味深い機材が使用されています。「ピッ・ポッ」という音はTEXAS INSTRUMENTS社の翻訳マシン「Language Tutor」、他の効果音にはCASIOの関数電卓「FX-501b」と言われており、このうち「Language Tutor」は別項で紹介しようと思います。

閑話休題。右側面にはミニジャックの出力端子があります。底部にはスピーカーや電池ボックス、さらに前傾させるためのスタンドが。しかしこんなコンパクトなのに傾ける必要性が分かりませんね。

音色は変えられませんが、トップパネルには3個のリズム・セレクト・ボタンとテンポ・ボタンがあり、これ故に「BeeGees Rhythm Machine」という名称が与えられのでしょうが、もうちょっと何とかならなかったんでしょうか、このネーミング。
「cool Disco, hot Latin or contemporary Pop!」と箱にはありますが、いずれ劣らぬヘッポコなリズムで、とてもクールなりホットなりの代物ではありません。さすがのクラフトワークも、このリズムは使う気になれなかったかも知れません。背面には電源を兼ねたボリュームとキーボードのチューニングのツマミが配置されています。全体的にシンプルでスッキリとしたデザインは非常に好印象ですが、いかんせんオモチャ並みの低機能ですから、必然的にこうなったともいえます。さすがにクラフトワーク様は「BeeGees…」のロゴのシールは剥がしてましたね。

決して歴史に名を残すような「名器」ではありませんが、確実に歴史に名を残すであろうクラフトワークの、すこぶる印象的な名曲とともに、図らずも愛着を覚えてしまうマシンではあります…って無理がありますか。