ROLAND “CompuRhythm” CR-78

Category: CR-78,リズムマシン (2008/02/14)

ローランドのCR-78は、1978年に登場したリズムボックスです。“CompuRhythm”(コンピュ・リズム)とも呼ばれていました。

当時、初めてマイコンを搭載したリズムマシンとして注目を集め、オリジナルのリズム・パターンを4つ記憶させる事ができました。音は、10種類の打楽器音を使用可能です。ただし、リズムパターンを組み合わせてソングを作ることはできませんでした。なお、同時発表のCR-68は、同じく10種の打楽器音を使え、メモリー機能を持っていない機種です。

CR-78は、初めてまともにリズムを組めた事に加えて、音色の味わい深さもあって、国内外を問わず当時の様々な音楽ジャンルで使用されました。もちろん、現在のリズム音源やサンプリングCDにも必ずといっていいほど「CR」という音色を見つける事ができるように、とてもスタンダードなリズムボックスです。

当時の〈テクノポップ御三家〉プラスチックスP-モデルヒカシューもこぞって使用しています。中でもプラスチックスのデビュー盤「ウェルカム・プラスチックス」では、全編にわたってCR-78/68が大フィーチャーされています。ちなみに、後の「ウェルカムバック・プラスチックス」では、リズムを当時最新鋭のローランドTR-808で組み直して再レコーディングしているようです。

海外勢では、テクノ系アーティストのみならず、ホール&オーツやフィル・コリンズ等、よりメジャーなアーティストにも使用されています。個人的にはノイズ/インダストリアルのスロッビング・グリッスル『ディシプリン(「20 Jazz Funk Greats」所収)』で使われたCR-78の音色が印象的です。

聴いてみると“ダン・ダン・ダ・ダン”といった単純なリズムが全編に反復しています。おそらく全ての音色を重ねたサウンドでしょう。他アーティスト使用時に感じられる「CR-78サウンドのキュートさ」とは正反対の、凶暴で野蛮な印象が、現在の耳にも新鮮かと思います。ぜひ聴いてみてください。

操作部分ですが、フィル・インや連打、ブレイク等の多様な「VARIATION」機能、4つの音色をミュートできる「CANCEL VOICE」機能、さらに金物系の音色で使用できるスライド・ボリュームが用意されています。「プログラマブル」という点を差し引いても、当時のリズムボックスの中では非常に贅沢な仕様を誇っていたように思います。

カラフルな23個のプッシュ・ボタンは、同時期のJUPITER-4PROMARS、名器の誉れ高いDIMENSION Dに使用されているものと同じです。プログラムしたものを含め、複数同時に押す事でリズム・パターンをミックスすることができます。「ENKA」というプリセットが時代を感じさせますよね。

パターンの打ち込みは付属の無骨なフット・スイッチで行いますが、コレがまたすこぶるやり辛いものでした。不評だったためか、翌年のDR-55で採用された音符/休符による打ち込み方式の専用オプションWS-1が発売されました。……コレがまたかなりのレア物で、入手するまで結構時間がかかりました。

リアパネルの「EXT.CLOCK」や「TRIGGER OUT」等の端子により、CSQ-600/100といったデジタル・シーケンサーと同期させることも可能です。しかし、上記のWS-1と繋ぎ替えなければならず、実際に同期演奏させるのはいささか面倒です。

なお、掲載したウッドパネル仕様(木目)以外に、黒いバージョンも存在します。黒いのは海外仕様と聞いた事もありますが、以前に所有していましたイギリス仕様の個体は普通に木目でした。ちなみにプラスチックスはピンクに塗ってました。

今まで累計4台のCR-78を所有してきましたが、そのうちの1台は都内某所のゴミ置場で拾ったモノでした。ネットオークションが普及したせいか、はたまた「エコ」なのか、昨今は楽器ではボロボロのガットギターくらいしか捨てられていませんね。でも、ちょっと前までは道端によくエレキギターやキーボードが捨てられていたものです。このCR-78以外にも、アンプ、エフェクター、シンセサイザーなんかを拾った覚えがあります。……でも、誰かが置いておいただけだったりして!?

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